夜間・休日のオンコール代行(往診代行)はON CALL

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夜間・休日のオンコール代行(往診代行)はON CALL

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2025.02.28 インタビュー

【ON CALLインタビュー】一般社団法人 小石川医師会 理事 久保雄一先生

今回ご紹介するのは、一般社団法人 小石川医師会 理事および神楽坂ホームケアクリニック 院長を務める久保雄一先生です。

久保先生は、東京都および東京都医師会が推進する「在宅医療の24時間体制強化事業」において、中心的な役割を担い、地域医療の向上に貢献されています。豊富な現場経験と知見を活かし、訪問診療や訪問看護の充実に尽力してこられました。

今回のインタビューでは、本事業の一環として2023年12月より1年間ご利用いただいている弊社サービス『ON CALL』について、導入の経緯やご感想、現在の取り組み状況を詳しくお伺いしました。

一般社団法人 小石川医師会 理事
神楽坂ホームクリニック 院長 久保雄一 先生

久保先生:

当会では、地域医療の基盤を支えるため往診に力を入れています。訪問看護や居宅介護支援事業所の運営にも長年取り組んできました。訪問看護制度が整備された初期段階から積極的に関与し、現在も地域における訪問看護サービスの提供を続けています。

また、東京都医師会が推進する「難病訪問診療」という事業があります。この事業では、神経内科の専門医や大病院の教授と連携し、パーキンソン病などの難病患者さんを対象に、3か月に1度訪問診療を実施しています。現在は2名の難病患者さんを診療しています。

このような取り組みの中で、当会の往診体制をさらに強化するため、1年前から東京都が推進する「在宅医療の24時間体制強化事業」の一環として、夜間休日の往診支援サービス『ON CALL』を導入しました。このサービスにより、医師の負担軽減を図るとともに、地域住民の方々が必要なときに適切な医療を受けられる体制を整備しています。

久保先生:

大きな課題としては、夜間や休日の往診の負担が医師にとって非常に重いことが挙げられます。特に訪問診療を行うクリニックの数がなかなか増えないことの背景には、各クリニックの先生方が日中の外来診療、往診、さらに夜間や休日の対応まで一人で担っているという状況があります。この負担が翌日の診療に影響を及ぼすことも少なくありません。

さらに、医師自身や開業医の高齢化も進んでおり、体力的な負担を軽減するサポートが必要だと感じていました。そのため、外部サービスの導入により負担を減らすことで、新たに訪問診療を始める医療機関が増えることを期待しました。


− 久保先生としては、外部サービスを活用することで持続可能な医療提供を実現するという考えに賛成されていたのでしょうか。

久保先生:

最初から賛成だったわけではありません。きっかけはコロナの流行です。コロナ禍によって往診代行サービスの必要性がより明確になり、それに対する抵抗感も次第に薄れてきました。

医療界全体の認識も変わりつつあり、以前は医師が24時間全て対応するのが当然という考え方が主流でしたが、現在では「それは現実的ではない」との認識が広がり、東京都医師会も外部サービスの活用を推奨する方向に変わりました。

当医師会もその流れに乗り、『ON CALL』の導入に至ったという経緯です。

久保先生:

以前は夜中に呼ばれると私自身が直接出動していました。

例えば、症状がそこまで重くない場合には、「様子を見て明日の朝に訪問します」といった形で対応せざるを得ないこともありました。しかし、『ON CALL』を利用することで、患者さんが「来てほしい」と希望する場合には、比較的軽症でも往診が可能になり、選択肢が広がりました。

患者さんにとっても、希望したタイミングで診てもらえるのは安心感に繋がりますし、私たち医師側も、翌日まで待つ判断に迷う必要がなくなる点が助かります。一度往診して患者さんの状態を確認できれば、電話だけでは分からないことも解消されます。往診の選択肢があることで、診療の質が向上すると感じています。

また、体力的な負担も非常に軽減されました。夜中に往診すると、それだけで約2時間ほど取られ、睡眠時間も削られるため、翌日の業務に支障が出ることもありました。こうした負担を『ON CALL』にお願いできるのは、本当に助かりますね。


− 地域医療におけるオンコール代行サービスについて、その可能性や課題についてはどのようにお考えでしょうか。

久保先生:

このサービスには大きな可能性を感じています。夜間の負担が軽減されることで、訪問診療を始めやすい環境が整いますし、すでに在宅医療を行っている医師も、より多くの患者さんを受け入れる余裕が出てきます。全てを外部サービスに任せるのではなく、自分で対応したい患者さんは自分で診る、といった選択も可能なので、柔軟に運用できる点も良いですね。

一方で課題としては、ケアマネージャーや訪問看護師といった地域医療の周辺スタッフに、このサービスのメリットが浸透していないことがあります。「なぜ自分で行かないのか」と疑問を持つ方も少なからずいるため、こうした方々への理解促進が課題です。ただ、実際には『ON CALL』がクリニックの名前で往診をしてくれるため、特に説明しなくても問題はないかなと考えています。

久保先生:

患者さん側には抵抗はほとんどありません。特に当院のように複数の医師がいる場合、普段の日中から主治医以外の医師が対応するケースもあるため、「夜中に別の医師が来た」としても違和感はないようです。むしろ「誰でもいいから医師に来てほしい」という気持ちが強いです。ただ、ケアマネージャーや訪問看護師には、医師の負担感が理解されにくい部分もあるので、そこをどう理解していただくかが今後の課題だと思っています。

久保先生:

現在の課題の一つは、「交代時間帯の隙間を埋める」ことです。例えば、オンコールサービスが対応を終了する早朝の時間帯や、当院の診療開始までの間に発生する1〜2時間のギャップがあります。この時間帯は電話の件数は多くありませんが、対応が必要な場合もあります。こうした時間をどうカバーするかが課題ですね。

また、夜間や休日の往診で対応できる治療項目を増やしていくことも重要です。例えば、夜間にせん妄や不穏の患者さんに対応するための薬剤を増やすなど、現場でできることを少しずつ拡充していただけたらと思います。そうすることで、地域医療全体の質をさらに向上させられるのではないでしょうか。

久保先生:

現在、当医師会では事業の一環として『ON CALL』を利用しています。しかし、医師会に所属する医療機関それぞれでカルテのシステムが異なります。電子カルテを使っているところもあれば、紙カルテを使っているところもあり、その違いによって患者さんの情報を『ON CALL』とどう共有するかが課題です。

もし、この部分がよりスムーズに対応できるようになれば、オンコール代行サービスを利用する医療機関がさらに増えるのではないかと思います。特に電子カルテとサービスの連携が進むことで、情報共有が効率化され、患者さんへの対応の精度も高まると期待しています。

−ありがとうございました。

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